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2018/02/21

ハイヒールは何故ドクターなのか

ハイヒールで美しく歩くためには
正しい姿勢で
母指球に体重を乗せて
腹筋を思い切り引き上げた状態で
身体の軸を使って進みます。




例えば、

背中が僅かに倒れている場合
上半身のすべての重さが腰にかかります。


その状態のままハイヒールで歩きますと
お腹が反り返っているわけですから
腹筋に力が入りにくくなります。


腹筋が最大限に引き上げられていなければ
母指球に体重が乗りにくくなり、それは
バランスを取ることが難しくなることを意味しますので
違和感として気付く事ができます。


ハイヒールで
正しい状態で歩いている場合は
身体が軽く感じるものですが

バランスが取りにくい時には
無意識にあらゆる部分で調整をするため
いつもとは異なる場所に異変を感じるのです。
そして違和感は直ちに痛みとして現れます。


正しい姿勢は美しく歩くためだけでなく
健康のためにも重要です。

猫背は内臓が圧迫されますが、
同時に腹筋に力が入りにくくなります。
例えば、
腸は上行結腸と下行結腸の二箇所だけで固定されて
ゆらゆらとぶら下がっているわけですが

腹筋がなくなれば腸の位置も下がりやすくなり、
浮腫みやすくなったり、代謝への影響など、
多大です。


少し話が逸れましたので戻します。


ハイヒールを履かなければ
痛みが出ることもないのではないか、
そう言われる方がいらっしゃるかもしれませんが
本当にそうでしょうか?


地下鉄の階段で、手摺につかまり膝をさすりながら
痛そうに歩く高齢の方を時々お見かけします。

筋力が不足して膝が伸ばせないためなのか
痛みのため伸ばすことが困難なのか、
詳細は存じませんが
ほぼ両方の膝が曲がった状態で、歩いていらっしゃいます。
全体重を、痛い膝だけで受け止めながら
歩いていらっしゃるのです。





ハイヒールの哲学では
膝が曲がった状態での着地はしません。


身体は一つのユニットのため
膝が抜けた状態では腹筋を引き上げることは不可能なのです。
腹筋が上がらない影響については前述の通りであり
そして、その状態でハイヒールで歩くと
直ちに違和感や痛みとして教えてくれるのです。


これが、ハイヒールがドクターであると
言われる所以なのです。